ねじまき鳥クロニクル
2007-03-20 17:00:00
つらいときや苦しいとき、
人それぞれに対処法があるのではないかと思います。
たとえば友人に愚痴を聞いてもらうとか、
お酒を飲んでストレス発散をするとか。
僕は、つらくて苦しい状況になった場合は、
何も考えないようにします。
ただただ、今やるべき作業に気持ちを集中させます。
「なぜこんな状況になっているのか」
「これが終わったらどうしよう」
そういったことは一切考えません。
つらい状況におかれたときには、
たとえどんなに明るくポジティブなことを考えようとしても
気持ちがマイナス方向に動いていってしまうものです。
村上春樹著「ねじまき鳥クロニクル」に
こんなセリフがあります。
過酷なシベリアの地で悪事を働くボリスの右腕となっていた間宮中尉。
ボリスは彼に、この厳しい状況で生き続けるためのアドバイスを授けます。
「想像するな」
「想像することがここでは命取りになるのだ」
ボリスの真意は正直分かりませんが、
状況によっては想像することを慎むべきだというのは
なんとなく共感できる気がします。
Category : 小説舞姫通信
2007-03-10 17:00:00
「世界で一番おいしいものは?」
と聞かれたら、なんと答えるでしょうか。
母親が作るカレーライス?
三ツ星レストランのフルコース?
ご飯と味噌汁とお漬物?
人によって答えはさまざまでしょう。
味だけで考えれば、全員を納得させる答えはないでしょう。
ちなみに僕は「ウニ」が世界で一番おいしいと思っていますが、
反対意見もおそらく多いのではないでしょうか。
ウニが嫌い、という人もたくさんいると思います。
しかし「おいしい」という感情に、
「幸せ」という要素も含まれていると考えたら
どうでしょうか。
重松清著「舞姫通信」にこんなセリフがあります。
若者の自殺をみてきた教師が
教え子に向かっていうのです。
「誕生日のケーキって美味いよな…」
「忘れるなよ、世界で一番美味いものって誕生日のケーキなんだぞ」
食べ物の好き嫌いは人によって異なるものですが、
自分のために愛情をこめて作られた料理は、
だれにとってもおいしいものです。
自分が生まれたことを
祝福してもらいながら食べる
バースデーケーキほど
おいしいものはないのかもしれません。
Category : 小説麻雀放浪記
2006-11-01 17:00:00
高校卒業後、何年かギャンブルに明け暮れていた時期がある。
種目はパチンコと競馬。
パチンコは「釘」さえ読めれば、まだ勝てる時代だった。
月曜日から金曜日まで、毎日10時間、パチンコ台と向き合っていた。
毎月50万円以上の水揚げがあった。
今思えば、ハタチ前にしては破格の稼ぎだったが、当時は全然足りないと思っていた。
県内屈指のバカ高校を、一緒に卒業した友人たちの就職先は、主にブルーワークだった。
郵便局や水道局など、「堅い」職業に就けた者は、ほんの一握り。
どっちにしても、狭くてぬるい地元からは抜け出せない。
俺たちみたいな半端者が、でっかい成功を掴むには、もっともっと金が必要だ。
土曜日と日曜日は、いつも競馬場にいた。
パチンコで稼いだ50万円は、いつも馬券という名の紙くずになった。
100万円単位の払い戻ししか、眼中になかった。
負ければ負けるほど、絶望の中から闘志が沸いてくる。
そのうち馬の顔なんか見たくもなくなった。
でも平日になると、競馬場が恋しくなった。
ある日、公務員になった友達と飲んだ。
給料はそこそこ。ボーナスも出た。しかも仕事は楽。
毎日定時に帰っては、合コンに励んでいるらしい。
お前も頑張れよ、と言われた。
お前こそ頑張れよ、と思った。
ポケットにはいつも、阿佐田哲也の「麻雀放浪記」が入っていた。
自分の女を売ってまで、バクチを打ち続けるドサ健に憧れた。
安定をよしとする周囲の声に、彼はこう叫んだ。
「手前等にできることは、長生きだけだ!」
その言葉だけが、僕の頼りだった。
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