ロッキー5 最後のドラマ | Main | 天使な小生意気

こちら葛飾区亀有交番前派出所

2006-11-30 17:00:00 Category : マンガ

おじいちゃんは無口な人だった。
余計なことはいわずに、やるべきことをやる、
そんなタイプの人だった。
僕はおじいちゃんにかわいがられていた。
会話はなかったけれど、それでも愛情は感じた。
兄はおじいちゃんによく怒られていた。
おじいちゃんは口より先に手が出る。
相手が倒れたら今度は足が出る。
だけど僕は一度も怒られたことがない。

僕が小学生のころ、兄と二階でプロレスごっこをやっていた。
布団を引いてリングに見立てて、相手を叩きつける。
しかし体の大きな兄にはかなうはずもなく、僕はおもに投げられ役。
だけどとても楽しかった。
兄が僕にパワーボムを決めたとき、階段の下からおじいちゃんが叫んだ。
「やかましいぞっ!」
無口なおじいちゃんが叫ぶっていうことは、かなり危険な状態なのだけど、エキサイトしている僕たちは止まらない。
兄が僕にバックドロップを決める。
するとドタ!ドタ!ドタ!とすごい勢いでおじいちゃんが階段をのぼってきて、ドアをバシーン!とドアを開けてまっすぐ兄のほうへ向かい、ほほをバチーン!
そして、そのまま階段を降りていった。
僕は殴られなかった。

「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の6巻にこんなシーンがある。
顔見知りのスリ師の犯行現場を押さえる大原部長。
部下の中川が手錠をかけようとすると、大原部長がそれを制して、自分で連行するという。
部下たちから離れ、説教の1つでもして見逃すのかと思いきや、部長はこういうのだ。
「罪は罪だ。あと始末はキチッとつけるんだ」

優しくするだけが愛情じゃない。
大原部長に逮捕されたスリは、たぶんうれしかったと思う。
僕もあのとき、おじいちゃんに殴ってほしかった。

footer ads here Powered by ちびログ
footer ads here